1.ストライクゾーンの広さはトップクラス 屋台の王様「たい焼き」
みなさんよくご存じだとは思いますが、たい焼きは和菓子の一種です。
鯛をかたどった焼き型に小麦粉・砂糖などを水で溶いた生地を流し入れて焼いたもので、中に小豆餡が入っているものです。
小豆餡に限らず、チョコレート、キャラメル、カスタードクリームなどの洋菓子素材を使用したものや、サンドウィッチ式に肉類や生野菜、各種ソースやリゾットなどを挟む「おかずたい焼き」もよく見かけます。
出来立てのたい焼きをほおばるのは最高ですよね。
移動販売や屋台でよく見かけますが、売られているのにはわけがあります。
- 価格設定が安いので、学生などでも気軽に買える
- 食べやすい形状をしている
- 単価が安い
- 原価が低い
- 日本人なら誰でも知ってるといっていいほど認知度が高い
- まさにめでたい食べ物
- 器具が少なくて済む
しかし、100点満点の移動販売フードというものではありません。
やはり、弱点もあります。
- ライバルが多い
- メニューの増やし過ぎに注意
- 夏場は売れにくい
それでも、「たいやき」は移動販売や屋台のトップフードと言える食材です。
2.移動販売車(キッチンカー)でたい焼き屋さんになるための開業準備
飲食店を営業するのには多くのメリットがある移動販売ですが、実際に開業するためにはどんな準備が必要なのでしょうか?
2-1 たい焼き屋の移動販売車(キッチンカー)を製作する
移動販売で販売する商品が決まったら移動販売車(キッチンカー)を製作します。
移動販売車(キッチンカー)を製作してくれる会社が全国にありますので、検索して見積もりを出してもらいましょう。
最も費用が掛かる作業になりますから、しっかりと計画を立てて、購入することをお勧めします。
ガスを利用する移動販売車(キッチンカー)を希望する際はガスボンベの場所の確保やガス会社との契約なども必要になる場合があります。
2-2 移動販売する場所を決める
移動販売は売る場所がなければ営業できません。
販売商品を決めることで、ターゲット層が決まっているはずですので、ターゲット層に見合った場所の特定と確保が必要です。
また、場所によっては申請も必要です。
2-3 備品をそろえる
メニュー表や、ラッピング素材、POPなどそろえるものを書き出して、忘れ物の無いようにしましょう。
その他の調理器具もサイズを確認しつつそろえておきましょう。
2-4 試作をつくる
味、材料を決定します。原価が決まる重要な工程ですから、入念に行いましょう。
試作ができたら、友人や知人などに試食してもらいましょう。
味、素材、価格のバランスを第三者に見てもらうことはとても大切です。
2-5 宣伝方法を考える
看板やチラシやSNSの作成をします。
移動販売は特定の店舗を持ちませんから、どこで商売を行うかを公知するツールにもなります。
また、店頭で配るチラシやショップカードはお客様に直接手渡しできる重要なツールですからぜひ作成することをお勧めします。
2-6 営業許可を申請する
移動販売車(キッチンカー)が製作できたら、保健所に営業許可の申請をしましょう。
営業許可とは地域にある保健所が行う許可であり、これがなければ移動販売で開業をすることはできません。その際には「食品衛生責任者証」も必要になります。
無資格でも6時間程度の講習で取得することができます。
営業許可を得る際には移動販売の車も申請する必要があり、実際に移動販売車に立ち入って検査を受けます。
そのため、移動販売車を購入し手元に来てから営業許可の申請を必ず行ってください。
また、道路や公園で営業する場合には別途申請が必要になります。
移動販売における飲食業の分類は管轄の保健所で異なりますが、例えば東京都の場合、「調理営業」(飲食店営業、喫茶店営業、菓子製造業など)と「販売業」(食料品等販売業、乳類販売業など)に分けられています。
サンドイッチやカレーなど車内で調理した商品を販売するのか、包装された商材を仕入れて販売するのかなど、開業する飲食業がどの業種に当てはまるのかを保健所に相談してきちんと事前確認した上で、それぞれの営業許可を取得しましょう。
例えば、クレープを販売するために菓子製造業の営業許可を取っていても、ツナやチリコンカルネをクレープの具材として販売する場合はどうでしょうか。後者は、菓子に含まれないという認識で飲食店営業許可を取る必要があるかもしれません。
商材によって必要な許可の線引きに悩んだら、まずは保健所に相談することをおすすめします。
また、出店先のイベント管理団体などに問い合わせるのもいいかもしれません。
また、仕込み場所が営業許可を受けている必要がある場合もあります。
車内で仕込みをする場合は問題がありません。
しかし、飲食店を経営している知人に厨房を借りたり、移動販売をしている仲間と共同で厨房がある施設を使用したりする場合は、使用する施設が営業許可を受けている必要があります。
2-7 開業届を提出する
開業届を管轄の税務署に提出しましょう。
これでいよいよ営業がスタートできます。
開業までの道のりは長かったでしょうか?
しかし、営業の道はさらに長くなるよう努力し続けなければいけません。
向上心をもって、よりよい移動販売の道を歩んでいきましょう。
3.移動販売車(キッチンカー)のたい焼き屋さんに必要な設備
移動販売車(キッチンカー)のたい焼き屋さんに必要な設備を確認していきましょう
3-1. たい焼き機
たい焼き機がないと、たい焼き屋さんを開業することができません。
たい焼きに「養殖もの」と「天然もの」があるのをご存知ですか?
「天然モノ」とよばれるたい焼きは、確固たる定義はないものの、一丁焼き(もしくは、二匹焼きを含む場合もある)の焼きごてのような鋳型で手焼きしたたい焼きです。
1匹1匹を丁寧に焼き上げることで、一般的に皮は薄皮でサクサクに仕上がります。
天然モノのたい焼きは、高等な技術が求められる・たい焼き機が重い・1つずつ焼くので、一度の大量に作れないなどの負担から食べられる店が年々少なくなっています。
「養殖モノ」とよばれるたい焼きは、一度に6匹~10匹以上を焼き上げることができる鉄板タイプの焼き型を取り入れた大量生産型です。
細やかな火力コントロールができないため、「天然モノ」に相対して分厚くふんわりとした皮になります。
たい焼き機にはガスと電気の両方があります。ガス式の場合はLPガスのガスボンベ、電気式の場合はエンジン発電機が必要になります。
<おすすめ参考サイト>
山下金物:http://yamashita.a.la9.jp/p/index.htm
和田厨房道具:https://www.prokitchen.jp/instructions/002.html
株式会社 タケウチ:http://www.kk-take.co.jp/sub24.htm
3-2.冷蔵庫
餡などの材料を保存するのに使用します。
3-3.その他の備品
油ひき・種落とし・あん差し・あんべら・のぼりや看板など
取り扱いがあれば、たい焼き機と一緒に購入できる場合もあります。
4.移動販売車(キッチンカー)のたい焼きメニューにONEプラス
あんこ以外にも「変わりダネ」的なバリエーションに富んだ中身が楽しめるのもたい焼きの特徴です。メニューにONEプラスするならどんなものがあるのでしょうか。
餡子
カスタードやチョコレートなどクリームのほか、白あんやいもあんは基本です。
カレーやチーズ、はては肉類や生野菜まで入った「おかず系たい焼き」などもあります。
海外でも人気があり、独自のメニューがあるようです。
- チョコ&マシュマロ
- チキンカツ、コールスロー、チリソース
- ピーナッツバター&バナナ
- ヌテラ(ヘーゼルナッツ入りのチョコレート風味の甘いスプレッド)&バナナ
- ストロベリーショートケーキ
また、インドでは、あんこがなくて皮だけを調理します。
宗教的に魚の頭を食べるのはダメなので、頭を切り落として、魚の下半身の中にクリームや抹茶アイスなどを詰めるそうです
皮
ほとんどの主体は小麦粉デンプンですが、皮の焼き上がりをパリッとさせたりもちもちとした食感にするために片栗粉を混合させたり、タピオカ粉や米粉を独自の配合で原材料に加えてこだわりの皮を作る場合も多いようです。
皮がクロワッサンや米粉の生地でできているものまで様々あります。
青森県には、たい焼きを揚げて砂糖をまぶした「あげたい」が販売されています。
サイズ
たい焼き機の型を見てみると、通常サイズ・ミニサイズ・ミニミニサイズとあるようです。
最近ではミニクロワッサンの量り売りなどを行ってるお店もあることからも、ミニミニサイズは女性や子供にはうれしいサイズですね。
また逆にアメリカンサイズとして全長26cm(通常の約2倍)のたい焼きが東京にはあるそうです。
デザイン
動物園にちなんだ「パンダ焼き」、水族館にちなんだ「シーラカンス焼き」、福岡県ではムツゴロウ型の「むっちゃん万十」など、デザインを産業や地域性によって変化させるのもかわいらしくていいですね。
トッピング
ソフトクリームのトッピングとして販売されているのを見たことがあります。
そういった意味でトッピングとしてのたい焼きを模索するのも 面白いかもしれません。
お汁粉にたい焼きをトッピングなどどうでしょうか?
皮は塩気を強くして具はなし、もしくはカレーあたりを入れて、、、
鯛パフェ
みなさんご存知ですか?
たい焼きがまるでパフェを丸飲みにしたかのようなヴィジュアルのスイーツです。
たい焼きはホカホカ、パフェはひんやりしています!
移動販売ではありませんが、NYでも流行してますし、アレンジの一つとして考えるのもいいですね。
5.移動販売車(キッチンカー)でたい焼き屋さんを営業している先輩
ここでは、すでに営業されている移動販売車(キッチンカー)のたい焼き屋さんを紹介します。
5-1. 鯛焼きのよしかわ
http://yoshikawa.html.xdomain.jp/index.html
よしかわの鯛焼きは、昔ながらの鋳物の焼き型を使用して『一丁焼き』という焼き方で一尾づつ丁寧に焼き上げています。東伏見・吉祥寺を中心に営業されていて、の青色バンが目印です。
5-2. 越後のしょうゆたい焼き
https://www.facebook.com/shouyutaiyaki/
新潟で営業されています。
新潟の特産品を使い、県の魅力アピールに努めることをモットーとしているそうです。
看板メニューは店名通り「鯛焼き」。
なんと日本海で水揚げされた鯛を焼き、2~3ヵ月漬け込んで作る醤油「鯛醤油」を生地に用いた、ユニークな鯛焼きを販売しています。
5-3. 「一丁焼このは」
http://www.taiyakikonoha.com/
「一丁焼このは」は手焼きたい焼きの移動販売店です。
神奈川唯一の手焼き鯛焼の移動販売店舗です