1. 移動販売とは
移動販売とは車などで運んできた商品を固定の店舗以外の場所で販売する形態のことです。
最近は街中やイベント会場で目にすることが多くなりました。
移動販売は雑貨や食品などいろんな商品を取り扱うことができるので、自分でお店を持ちたい!という夢をかなえる為の選択肢の一つにしている方も多いのではないでしょうか。
移動販売は店舗を所有するよりも低価格で起業できます。
固定店舗の半分以下の費用で開業できるのが移動販売です。
移動販売車での開業は300~500万円程度の費用で可能といわれています。
フランチャイズなどを利用すると、さらに低費用で開業できます。
また、コンパクトながら本格的な商品を取り扱うことができます。
そして、お客様が来るのを待つのではなく、自分から売れる場所へ移動できます。
移動販売には、このような大きなメリットがあるのです。
2. 移動販売を開業するには
移動販売には多くのメリットがあります。
では、実際に開業するためにはどんな準備が必要なのでしょうか?
・移動販売で販売する商品を決める
何を販売したいか?まずこれを決めることが何よりも先決であり、超重要項目になります。
販売商品を決めることで、ターゲット層が決まり、出店場所が特定され、適切な移動販売車のイメージが決定されるからです。
・移動販売車(キッチンカー)を製作する
移動販売で販売する商品が決まったら移動販売車(キッチンカー)を製作します。
移動販売車(キッチンカー)を製作してくれる会社が全国にありますので、検索して見積もりを出してもらいましょう。
最も費用が掛かる作業になりますから、しっかりと計画を立てて、購入することをお勧めします。
ガスを利用する移動販売車(キッチンカー)を希望する際はガスボンベの場所の確保やガス会社との契約なども必要になる場合があります。
・移動販売する場所を決める
移動販売は売る場所がなければ営業できません。
ターゲット層に見合った場所の特定と確保が必要です。
また、場所によっては申請も必要です。
・備品をそろえる
メニュー表や、ラッピング素材、POPなどそろえるものを書き出して、忘れ物の無いようにしましょう。
その他の調理器具もサイズを確認しつつそろえておきましょう。
・試作をつくる
味、材料を決定します。
原価が決まる重要な工程ですから、入念に行いましょう。
試作ができたら、友人や知人などに試食してもらいましょう。
味、素材、価格のバランスを第三者に見てもらうことはとても大切です。
・宣伝方法を考える
看板やチラシやSNSの作成をします。
移動販売は特定の店舗を持ちませんから、どこで商売を行うかを公知するツールにもなります。
また、店頭で配るチラシやショップカードはお客様に直接手渡しできる重要なツールですからぜひ作成することをお勧めします。
・営業許可を申請する
移動販売車(キッチンカー)が製作できたら、保健所に営業許可の申請をしましょう。
営業許可とは地域にある保健所が行う許可であり、これがなければ移動販売で開業をすることはできません。その際には「食品衛生責任者証」も必要になります。
無資格でも6時間程度の講習で取得することができます。
営業許可を得る際には移動販売の車も申請する必要があり、実際に移動販売車に立ち入って検査を受けます。
また、道路や公園で営業する場合には別途申請が必要になります。
・開業届を提出する
開業届を管轄の税務署に提出しましょう。
これでいよいよ営業がスタートできます。
開業までの道のりは長かったでしょうか?
しかし、営業の道はさらに長くなるよう努力し続けなければいけません。
向上心をもって、よりよい移動販売の道を歩んでいきましょう。
3. 移動販売車(キッチンカー)でホットドッグ屋さんをお勧めする理由
移動販売の要は販売する商品をなににするか?ということです。
ここでは、ホットドッグをお勧めする理由を説明します。
3-1 ホットドッグとは
ホットドッグとは、細長いパンに切れ目を入れ、からし・バターをぬり、熱いソーセージなどをはさんだ食べ物のことです。
日本でも、惣菜パンとしてスーパーなどで販売されていたり、ハンバーガーショップやカフェなど多くの飲食店で取り扱われています。
熱いソーセージをパンに挟んで提供するという工夫はドイツからやってきた移民達によって伝えられたと考えられています。
諸説ありますが、定かではなく、いずれにしても19世紀後半のニューヨークではこうした形の食べ物が認知され、様々な場所で販売されていました。
ネイサンが始めたホットドッグスタンドのネイサンズはいまでも有名ですね。
3-2 移動販売車(キッチンカー)でホットドッグ屋さんをおすすめする理由
ホットドッグはおやつとして、また食事として利用されます。
つまり、時間帯を問わずにお客様に購入してもらえる商品です。
時間帯を選ばないということは移動販売において大きなメリットです。
ホットドッグは、基本パンとソーセージとソースで構成されています。
それぞれ種類がたくさんありますから組み合わせは無限大です。
例えば、パン一つにしても、フランスパンやドイツパンで挟んでみるとか、トルティーヤのようなもので巻いてカロリーオフのホットドッグにする、もしくはソーセージをチーズ入り、ハーブ・スパイスを変えるなど選択肢の幅が広いメニューが作成できます。
トッピングもコストコのようにセルフにすることでお客様の好みのホットドッグを作ってもらったりしてもらうなど、オリジナリティを出すことができます。
4. 移動販売車(キッチンカー)のホットドッグ屋さんの原価と儲け
4-1 原価と粗利率
原価とは、ある製品を作成するのにかかった費用のことです。
場合によっては 材料費だけを差す場合もあるようですが、ここでは作成費すべてを原価として考えます。
原価=材料費+加工費+経費
また、粗利率とは儲けのことです。
粗利率=商品の価格-原価
移動販売は、店舗費用や人件費などが抑えることができるので、粗利率を高くすることが可能です。
4-2 移動販売車(キッチンカー)のホットドッグ屋さんの原価
移動販売車(キッチンカー)のホットドッグ屋さんの原価はいったいいくらぐらいなのでしょうか。
ざっくりですが、移動販売車(キッチンカー)での毎月の必要経費は5~10万円程度のようです。
主な内訳は、出店料・仕込み場所の家賃・ガソリン代・保険費・税金(所得税、住民税、社会保険料等、消費税)・ローン返済費・人件費・その他経費となります。
人によって、出店料や仕込み場所の家賃、ローン返済費など不要な経費もあるかと思います。
これらの経費に加えて、材料費が加算されます。
飲食業では「原価率は30%程度に抑える」というのが定説ですが、ホットドッグは原価の安い商品ではありません。
理由としては、パンやソーセージのもともとの単価が高かったり、生野菜など生鮮食品を利用しているため廃棄率が高めであるなどがあります。
しかし、ホットドッグは売れている、定番商品であるということは商品として扱う価値があるということです。
商品として扱う価値があるわけですから、余分な出費を抑えて自分なりのホットドッグ屋さんを目指せばよいわけです。
原価を抑える努力=企業努力の積み重ねがあなたのもうけに直結するのです。
4-3 移動販売車(キッチンカー)のホットドッグ屋さんで儲けをだすには
ホットドッグは原価の安い商品ではありません。
ではどうすれば儲けをだせるのでしょうか?
まずは、メニューの単純化を図りましょう。
やみくもにメニューを増やしても手間と費用が掛かるだけです。
まずは単品で勝負できるようなメインとなるメニューを決めましょう。
さらにコスパの高い材料をコスパの高い卸業者から購入できるルートを作ります。
商品が売れて回転が速くなれば、経費は変わらずとも利益は増えていきますから、メニューの拡大はそれからでも遅くはありません。
また、ホットドッグは飲み物と一緒に提供するのがポイントです。
カフェなどにおける定番食事メニューと言えばホットドッグです。
コーヒーや紅茶と一緒にいただくホットドッグは満足感がありますし、コーラとホットドッグもアメリカンな感じがして人気です。
また、ソーセージが挟んであるので、ホットドッグはビールと一緒に食べても最高です。
ドリンクのメリットは原価が低いということです。
ドリンクの原価はとても低く、1杯20円から40円と言われています。
例えばソフトドリンクであれば、250円程度の販売価格の場合は、200円以上の利益が見込めます。
ドリンクは種類も増やすことができる上に、単価も安く、手間もかからないものが多いのです。
季節や時間帯に応じて飲み物を変えてみたり、アルコール系のイベントでは生ビールと一緒に販売したりと、サイドドリンクを変えることで色んなターゲット層に対応することができます。
5. 移動販売車(キッチンカー)のホットドッグ屋さんの設備
5-1 移動販売車(キッチンカー)のホットドッグ屋さんの必要な設備
移動販売(キッチンカー)のホットドッグ屋さんに必要な設備の一例をあげます。
寸胴:ソーセージをボイルするため
鉄板 オーブン:ソーセージやパンを焼くため
スチーマー:保温しておくため
その他ガス台や調理台、水道なども必要になるかと思います。
ホットドッグは自分が作りたいホットドッグによって必要な機材や重要視すべき機材が変わってきます。
そのため、しっかりとメニューやコンセプトを固めることが重要です。
メニューやコンセプトを固めることは無駄な出費を防ぐことにつながります。
5-2 移動販売車(キッチンカー)の製作
移動販売車(キッチンカー)は 車の製作会社に依頼することで手に入れることができます。
車が新車か中古車か、持ち込みかもしくはその製作会社で車両を購入してそのまま製作してもらうかなど、色々選択肢があります。
コストを抑えるなら自己製作(DIY)も可能ですが、非常に手間と時間、そして技術が必要になるので、製作会社に依頼するのがお勧めです。
製作会社に依頼する時のポイントはきちんと自分の必要とする移動販売車(キッチンカー)を製作会社に説明できること、それから、数社の製作会社から見積もりを出してもらうことです。
製作会社にお任せで製作してもらって、実際使用する際に使い勝手が悪いとか、いらない設備などがあったらどう思いますか?
移動販売車(キッチンカー)はいわばあなたの城であり、武器です。
人任せにせず、しっかりと自分の目指す移動販売車(キッチンカー)をイメージして依頼してください。
また、複数社に見積もりを出してもらうことで適正な価格で製作してもらうことが可能になりますし、値段交渉もしやすくなります。
大きなお金を投資する移動販売車(キッチンカー)の製作です。
妥協せずに、意思の共有を図れる製作会社さんを見つけてください。
6. 移動販売車(キッチンカー)のホットドッグ屋さんの先輩たち
ここでは実際に営業されているホットドッグ屋さんの移動販売車(キッチンカー)の先輩を紹介します。
6-1 MicHi (ミチ)
http://michicafe39.wixsite.com/michidog
横浜を中心に活動されているホットドッグ屋さんです。
大学やイベントなどにも出展されています。
完全無添加のソーセージやマシュマロを使ったスイーツドッグなど、オリジナリティあふれるメニューを展開されています。
6-2 KUMALABO(くまらぼ)
https://kumalabo.net/
KUMALABOは愛知県を中心に移動販売をしているサンドウィッチ専門店です。
地元野菜を取り扱いつつ、各種サンドウィッチに合う世界のビールも取り扱っています。
6-3 Ukichi-cafestation
https://www.instagram.com/ukichicafe/
都内一円、神奈川、埼玉で営業されています。
オリジナルバンズのヴォリューム満点ホットドッグの販売をしてます
さいごに
今回は、移動販売車(キッチンカー)でホットドッグ屋さんになるためのノウハウをお伝えしました。
事業というのは、収益を上げることが第一です。
移動販売においても、同様のことが言えます。
収益がが見込めなければ経営は破たんしてしまうわけですし、収益がない仕事では意味がありません。
しかし、自分がこの商品が好きだ!!!紹介したい!!という気持ちが一番大切なのは明白です。
その商品を販売し続ける企業努力を重ねることで営業を続けることが移動販売の醍醐味であり末長い営業につながることだと思います。