「フランス料理を店舗でやる限界を感じている・・」
「お店の味をお客様に今とは違う方法で届けたい・・」
「キッチンカーが増えてきているが自社にも取り入れれるのだろうか・・?」
「店舗との併用は大変そう・・」
など、キッチンカーを取り入れていることに足踏みをされているフランス料理店の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、
を徹底的に調べて、まとめています。
ぜひご参考いただけると幸いです。
1.フランス料理店がキッチンカーをするメリット
フランス料理店がキッチンカーをするメリットは大きく3つあります。
キッチンカーをするメリット
・・売上を稼ぎやすい。
②クオリティを維持したまま、フランス料理を提供できる。
・・個人で始めたキッチンカーと差別化をしやすい。
③出張キッチンカーでコースのようなメニューが提供できる。
・・予約をいただいて準備をすることが出来るため、ロスが出にくい。
・・既存のお客様も元へも伺える。
それぞれ、詳しく確認してみましょう。
高単価でメニューが出せる
キッチンカーで提供するメニュー単価は、「700円前後」が主流です。
そのため、1000円以上のメニューを出した場合、「高い」イメージがつき、なかなか購入に繋がりません。
しかし、フランス料理を店舗運営してる実績を押し出すことにより、他のキッチンカーにない「特別感」や「レア感」をお客様へ持っていただくことができます。すると、900円~1200円のメニューでも購入いただけるメリットがあります。
今までお店でフランス料理を食べることに敷居を感じていたお客様にも、身近に感じていただくことが可能です。
出店場所の特性とマッチした場合、売上をしっかりあげることが可能です。
クオリティを維持したまま、フランス料理を身近に感じてもらうことができる
長年店舗で実績を積んできたフランス料理店の場合、「キッチンカーだとクオリティが下がってしまうのではないか?」と不安がある方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、お店と同じようにフルコースを常に提供しよう考えられた場合、継続性や運用に負担が発生する可能性があります。
そのため、メニューを厳選し営業となるため、クオリティを維持したまま展開ができます。
また、テイクアウトで提供出来ないメニューもキッチンカーだと、シズル感を出して提供できるようになるメリットも持ち合わせています。
出張キッチンカーでコースのようなメニューを提供できる
「不特定多数の人に会うには抵抗がある」方への日常使いはもちろん、記念日や大切な方達との食事の時間、青空や星空の下など非日常へも出張キッチンカーとして伺うことができます。
出張キッチンカーのため、普段のキッチンカーのメニューだけでなく、お店側が考えたコースのようなメニューの提供もできます。
もちろん、ご要望に合わせたメニュー展開も対応できるキッチンカーだと、お客様にも喜んでいただけることでしょう。
出張キッチンカーのため、場合により、テイクアウト用の容器ではなく、通常のお皿やコップでおもてなしすることもできます。
また、事前のご予約を受けることで、仕込みも適正量を準備できるので、ロスがなく対応できます。
ここまで、フランス料理がキッチンカーを展開する強みをご紹介いたしました。
今までの店舗運営をスライドすることで、キッチンカーで売上を確保できることが想像いただけたのではないでしょうか?
ここからは、キッチンカーを始める流れを確認していきましょう。
フランス料理店がキッチンカーを始める方法
キッチンカーでフランス料理店を始めるには、おおきく4つの流れがあります。
キッチンカーを始める流れ
①キッチンカーの営業許可を保健所で取得する。
②キッチンカー・必要な設備を手に入れる。
③必要な保険を確認する。
④営業場所を確保する。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
①キッチンカーの営業許可を保健所で取得する
フランス料理でキッチンカーを始める場合、保健所で「営業希望地域の保健所の指定基準を満たしたキッチンカー」の「営業許可」を取得する必要があります。
「営業許可」取得の流れ
①保健所に事前の相談
(商材・出店場所・キッチンカーの設計図を元に担当者と打ち合わせ)
②申請書類に記入(記入方法がわからない場合は保健所の担当者に確認)して申請書提出
③キッチンカー入手後、施設検査の日程調整
④キッチンカーを保健所に持ち込み施設検査の実施
(指摘事項を受けた場合には改善して後日再検査を実施)
⑤許可証の交付
営業許可の申請は、各都道府県単位で申請をするのではなく、店舗を運営する場合と異なり、「販売する地域を管理している保健所」で申請・取得を行います。
そのため、同じ県でも市町村などが異なる場所で販売する場合、2・3つの営業許可が必要となる場合があります。
「どこで販売するか?」しっかり検討したうえで、準備を進めましょう。
営業許可の有効期限は、発行から5年間で5年ごとに更新が必要となります。
【注意】販売するメニューによって、営業許可の種類が異なる。
営業許可には、大きく分けて2種類あります。
営業許可の種類
・食品営業自動車業(調理営業)
⇒自動車に施設を設け、車内で調理、加工および販売する形態。
・食品移動自動車(販売業)
⇒自動車に施設を設け移動して食品を販売する形態。
更にそれぞれ、細かく分類分けもされています。
フランス料理店の場合、飲食店営業となります。
また、飲料の販売も併せておこなう場合、喫茶店営業も併せて取得が必要です。(2021年5月現在)
もし、キッチンカーを2・3台展開される予定の場合、1つのキッチンカーで1つの営業許可が必要となります。
参考リンク:2021年6月に施行されるキッチンカーでの保健所の営業許可・食品衛生法の詳細と対策https://foodtruck.co.jp/hajimete/food_sanitation_act/
【注意】営業許可の申請に必要なもの
営業許可の申請に必要な書類も各保健所で異なります。
作成前に各保健所で確認が必要です。
東京都の場合
①営業許可申請書
②営業設備の大要・配置図
③営業の大要
④仕込場所の営業許可書の写し(営業許可がある場合)
⑤許可申請手数料
⑥登記事項証明書(法人のみ)
⑦食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)
<補足>
※④仕込み場所について
店舗を仕込み場所として設定することが可能ですので、別途、場所の準備は不要です。
ここまで、営業許可の取得方法についてご紹介してきました。
では、その内容を踏まえてキッチンカーを手に入れるにはどのような方法があるか確認していきましょう。
②キッチンカー・必要な設備を手に入れる
営業許可の基準や必要な準備が掴めたところで、キッチンカーの準備へ取り掛かります。
キッチンカーの入手方法
①新車のキッチンカーを購入する
②中古車のキッチンカーを購入する
③キッチンカーをレンタルする
それぞれ、メリット・デメリットを簡単に確認してみましょう。
①新車のキッチンカーを購入するメリット・デメリット
【メリット】
・外観を自社ブランドイメージに合わせたキッチンカーに出来る。
・オペレーションがしやすい内装に出来る。
【デメリット】
・初期費用が180万~かかる。
(ただし、その後の費用は抑えることが可能)
参考リンク:https://foodtruck.co.jp/hajimete/ido_hanbaisha/
②中古車のキッチンカーを購入するメリット・デメリット
【メリット】
・移動販売を始める際の製造費用が軽減できる。
・営業する際に必要な器具や看板などの備品の準備のみでよい。
・新車やベース車両を購入し改造する車と比べてコストパフォーマンスが非常に高い。
・新車を購入するよりも迅速なスピードで開業することが可能です。
【デメリット】
・車両本体の整備が新車より劣っていること。
・動作確認のみでの販売のため、見た目より劣っている場合もある。
・車両によっては、あたりハズレがある。
・「使用感」が残っていて、自分向きの仕様ではない。
参照リンク:https://foodtruck.co.jp/hajimete/buy-used/
③キッチンカーをレンタルするメリット・デメリット
【メリット】
・出店の準備がすぐにできる。
・低コストで経営することが出来る。
・初めての場合、色々な設備を調べるためにレンタルすることもできる。
【デメリット】
・キッチンカーのデザインが自由にできない。
・細かいところを自分がやりたい仕様にはできない。
・長期でレンタルする場合、購入した方が経費を抑えることが可能。
・キャンセル料が100%かかってしまう。
参考リンク:https://foodtruck.co.jp/hajimete/hiyou_souba/#i-5
費用の回収やコスト、キッチンカーを手に入れた後の手間などを考えた場合、新車でキッチンカーを入手されることをおすすめいたします。
キッチンカーの種類
・軽トラック
・軽バン
・普通車バン
・1tトラック
キッチンカーの種類を決めるには、「どんなメニューするか」をしっかり決めておく必要があります。
・お肉と魚どちらを多く扱うのか
・フライを扱うのか
・ガレットやパイをメニューに採用するか
・スープも必要か
・デザートの販売もするのか
メニューによって、作業スペースが多く必要かフライヤーや蒸し器・湯煎機やオーブン・冷蔵庫の大きさやコンロの数など、使う調理設備が異なってきます。
調理設備や保健所の許可によって、キッチンカーの大きさも異なってくる可能性がありますので、充分留意しましょう。
ここまで、キッチンカーの選び方と必要な設備について記載してきました。
それでは、キッチンカーでフランス料理店を展開するために、必要な保険も併せて確認していきましょう。
③必要な保険を確認する
キッチンカーで必要になる保険は自動車保険・PL保険となります。
任意で、レンタカーの場合、ドライバーズ保険も検討に入れるといいでしょう。
自動車保険
キッチンカーを購入する場合は、入っておく必要がある保険です。
自動車保険には、対人・対物賠償、搭乗者・車両保険と種類があります。
レンタルの場合は、レンタル会社が基本入っておりますので、どの保険でどのような保証かをしっかり確認しておきましょう。
PL保険
万が一食中毒や提供中の事故などが起きてしまった時に使う保険です。
販売場所を提供する会社や地主さんから信頼されるためにも、飲食業であれば必ず入るPL保険には必ず加入するようにしましょう。
保険会社が提供しているPL保険もおすすめですが、公益社団法人日本食育衛生協会が提供している「あんしんフード君・スーパーあんしんフード君」は安価で説明も分かりやすいのでオススメです。キッチンカーの営業許可を保健所で取得する時に同時に申し込むことができます。
ドライバーズ保険
レンタル会社などからレンタルしたキッチンカーを運転している時に起こしてしまった事故を保証する保険です。
ドライバーズ保険は、任意で自分が入る保険になりますので、心配な方は入っても良いかと思います。
その場合は、一般的な自動車保険にどの会社で入っているか、レンタル会社に聞き同じ会社を検討するのが安く抑える秘訣です。
最後に、キッチンカーを続ける要となる営業場所を確保する方法についてもご紹介いたします。
④営業場所を確保する
キッチンカーで営業する際に重要となるのが「出店場所」です。
実は、キッチンカーで失敗する要因の1つに
が上がってくるほど、継続して運営するには大切な点となります。
下記にキッチンカーで販売できる場所を参考に掲載してます。
発想によっては、さらに展開できる場所がでてきます。
ぜひ、「ここでキッチンカーを展開することはできないか?」と常にアンテナを張っていただければと思います。
タワーマンションや住宅街
コロナの影響で、テレワークなどの生活スタイルが変わり、自宅でご飯を食べる方が増えてきています。
それでも、「本格的なフランス料理が食べたい!」「今日は、手を抜きたい」という隠れユーザーに寄り添うことが可能です。ここで、購入していただいたお客様が、今後店舗に来店いただける可能性もでてきます。
タワーマンションや住宅街の場合は、事前にチラシを各家庭に配っておくことも有効です。
ビジネス街のランチ
「コロナの影響で、お店の中で食べるのはちょっと抵抗がある・・」そのようなお客様にアプローチすることができます。テレワークを導入していない地域を狙って出店するといいでしょう。
ただし、道路での営業は警察の取り締まりの対象となります。道路ではなく、ビルのオーナーなどに交渉して駐車場を借りるなどもおすすめいたします。
スーパーや催事の駐車場
コロナの影響もあり、厳しくはなっていますが、スーパーの駐車場も絶えず人がいる場所のため、選択肢としておすすめいたします。
スーパーによっては、あえてキッチンカーを導入するようになっている店舗もあるようです。
ここはちょっと・・と思う場所は、今は出店しているキッチンカーがいない場所もどんどん想像力を膨らませてチャレンジしていくといいでしょう。
最近は、雑貨屋さんや車屋さんなど色々な業種の駐車場や空きスペースでもキッチンカーを活用されることが増えているようです。
移動販売用の企画
市町村によっては、自治体が主体でキッチンカーに力をいれている地域もあります。大手のチェーン店が、自治体の企画を活用し、公園等でキッチンカーの社会実験を行っているようです。
また、マルシェなどでは、移動販売車が沢山集まるイベントも増えてきています。そのような場所にフランス料理で参加の交渉をしていくのもいいかもしれません。
本格的なフランス料理だからこそ、出店した際は、出張キッチンカーとして、「予約を受付しています」とご案内して営業をしておくと次に繋がる展開を確保できます。
そのために、出店の際チラシの配布、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSの活用も行っておくといいでしょう。
また、既存のお客様の顧客情報を管理されている場合、ダイレクトメールやメールなどでご案内をお送りすると集客につながる可能性が高くなります。
なお、その他にキッチンカーを出店した際に他のキッチンカーの方と仲良くしておくことで、出店場所を入手することもできます。
以上、営業場所を確保する方法をご紹介いたしました。
最後に
ここまで、フランス料理店でキッチンカーを取り入れている方法をご紹介してきました。
ご覧いただいた方のご参考になると幸いです。
ぜひ、お店の味を多くの方に知っていただく手段として、ご活用いただければと思います。